仕事の合間に今日は昔ばなしをすこしばかり。
中学・高校で暗黒時代を過ごしたあたしは、誰も知らない地で死にもの狂いで頑張ろうと、金沢の大学に行ったんです。何とか大学で充実した青春生活を味わいたいと、もう必死ですた。
授業では工業高校卒の悲しき末路・・一年の春でいきなり留年のピンチでストレス溜まりまくり、部活では、素人のおいらが厳しい部活に耐えれるはずは無く、吐くほどランニング・フットワークをやった後に、ゲーム練習で活躍する同期の一年生達をひたすら線審として見守り、そのストレスを悪友たちと朝まで飲んで憂さ晴らしするという生活が半年続きました。
そんな一年生の夏のある日、朝からバスで能登半島の奥地の研修所での地獄の研修に向かったおいらとバド部の同期達・・・バスの中で何かクスクスと同期達が笑っているし、何か不自然な空気と視線を感じる。ロングドライブの果て、能登半島の奥地でバスを降りた俺に、バド部の同期の浜名君(空気をあまり読まない奴)が気さくに話しかけてきました。
浜名「ざっきー(俺のあだ名)」
浜名「頭、はげとるよw!!」
・・・・そこから先はあまり記憶が無いんですが、トイレの鏡で確認すると500円玉大の大きさのハゲが10か所以上・・・・おいらは引率の大学の事務員に「ハゲたので帰ります」と言い伝え、あとは無言で、研修所を後にしました。
家に帰った俺は、とりあえず一眠りして、対策を練ります。
18歳の少年が一夜にしてハゲると、精神的に崩壊してます。
おいらが出した結論はハゲを隠そうというものでした。
ただ、18歳でカツラをかぶれば、おいらの青春は絶対終わる。彼女などは100パーできないだろうし、友達からも距離をおかれるはず。
いや待てよ・・・木を隠すなら森の中!!!ハゲを隠すならハゲの中!!!
まさに「天啓」でした。
ダッシュで床屋に駆け込み、オヤジに「スキンヘッドにしてください!!」と言いますた。
ここでもう一つ「天啓」が聞こえてきました。
ハゲたからスキンヘッドにしたと思われては悲壮感が漂う・・ここはファッションでスキンヘッドにしてますよ感を出さなくては!!
オヤジに「眉毛もいってください!!」と言いますた。
・・10分後、鏡の中にいたのは「スケキヨ」でした。
あたしは家の布団の中で泣きました。無理だ・・俺、彼女出来ない・・つか結婚できない。
友人は励ましてくれました(ハゲだけに)
ウィッグも試したりしました(これは嘘です)
しばらく地獄の淵を彷徨ったんですが、いつしか開き直ったんです。
そしたら、先輩に誰より可愛がってもらえたり、同期の不良連中から一目置かれたり、コワモテ好きの女の子から声かけられたりで、世界が開けたんです。なんか人生の仕組み的なものを体感出来た気がしました。